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ストラスミル

ソサエティ初ボトリング 1992年
私たちの100番目のモルト:バンフシャーからの希少品 ブレンダーの手に渡る前に、この希少なドラムを味わった人間はほとんどいない。 アンソニー・トゥルーンは100周年を祝うために蒸留所を訪れ、結果として二つの100を祝うことになった。 それは忘れられない偶然であった。 スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティの瓶詰めリストの記念すべき100番目に選ばれた蒸留所が、初ボトリングの前年、100周年を迎えたのである。 現在スコットランドで稼働しているモルトウイスキー蒸留所は100ヵ所未満で、廃止された蒸留所の成熟した製品を含めても120種類ほどのウイスキーしかない。 私たちの記念すべき100番目のウイスキーは、専門家でさえもボトリングされたシングルモルトの存在を知らないという。 マイケル・ジャクソンは彼の著書『モルト・ウイスキー・コンパニオン』で、インデペンデントボトラーによってさえ、近年では決してシングルモルトとしてボトリングされないと思われる6の蒸留所のうちの1つとして挙げている。 ストラスミル蒸留所は、バンフシャーのキースという魅力的な町を抜ける主要な道路を下ったところに、木々の影にひそかに隠れて存在する。 近くのスペイ川に合流するように北向きに流れるアイラ川と古い側線を持つダフタウンへの錆びた(しかし使える)鉄道線がある。 冷却用の河川水、蒸留用の湧水、輸送用のレール、そして森林に囲まれた土地がそこにはある。 19世紀のウイスキー生産者にとって他に求めるものはあるだろうか? しかし興味深い疑問として、この完璧な場所でウイスキーが一体いつ頃から作られていたかということだ。 専門家の話によると、ストラスミル蒸留所は1891年に製粉工場から転換され、最初はグレンアイラ-グレンリベットと呼ばれていた。 そして1895年にギルビーズ社によって9,500ポンドで買収された際に改名されたという。1823年以来、製粉工場はそこに立っていたと言われている。 しかし、別の記録では、製粉工場自体がストラスアイラと呼ばれる蒸留所から変換された建物であり、1837年にその施設が取り除かれたものであったと示唆している。 混乱をさけるために、現在のストラスアイラ蒸留所は、キースにある3つの蒸留所の1つで、もともとミルタウンと呼ばれていた。 しかし、ストラスミル蒸留所は1962年にインターナショナルディステリラーズ&ヴィントナーズ(IDV)に移りジェスティリーニ&ブルックスによって運営されている。 そこで作られるウイスキーのすべてが、ブレンドウイスキー(J&Bレアを含む)に使用される為、週52,000リットルのアルコールを作り出す。 シングルモルトとして販売されているストラスミルの最後の記録は、1909年のギルビー社の広告に残っていた。それは5年もので瓶詰めされ、3シリング(15p)で販売されたというものである。 ストラスミルの代理店を務めたのは、エルギン、クレイゲラヒ、ローゼス、ロッシーマウスに店舗をもつ家庭食料品店であった。 昨年の100周年を記念して、倉庫内の最も古い2つのバット(25年もの)が従業員や幸運なゲストのためにボトルに詰められた。 蒸留所のマネージャー、ランドルフ・ウィンチェスターは、翌日電話でコレクターから250ポンドで購入のオファーがあったというが、丁寧に断ったという。 ランドルフは1959年から蒸留所で働いてきた。: 彼の最初の仕事は、スチル用の石炭の採掘や、樽工場の手助けもしていたという。 蒸留が石油蒸気加熱に変換された時代や、クーパーが逃げ出す様も目にしてきたという。 彼はストラスミル蒸留所のあらゆる部門で働いた経験を持つ。 彼が思う最も厄介な仕事の1つは、ヒースで作られたほうき(besomsと呼ばれる)で木製のウォッシュバックの内部を清掃することであった。 そのほうきを作るため、彼は外に出てヘザーを引き抜くこともあった。 その茎を長さ8フィートの長い棒に縛ってほうきを作り、肩が痛くなるまでウォッシュバックの中に立って磨く作業である。 もちろん、ストラスミルでは、多くのことが変化していった。 マッシングと発酵槽は現在ステンレス製で、実際に蒸留所の中で、最もきれいで清潔に保たれている。 毎週126トンのライトピーテッド麦芽は、バッキーとペンケイトランドのモルトスターから届けられる。 この麦芽がドイツ製のミアグ社の6ローラーミルを通過し、15%のハスク、77%のグリスト、および8%のフラワーの割合で粉砕され、マッシングルームに運ばれた後、14のマッシュを作る。 6つのウォッシュバック(46,500リットル)の中で、等量のマウリ、DCI酵母を使用して発酵される。 32℃でウォッシュレシーバーに入ると、液体は最初の蒸留を経る前に、リサイクル熱によってその温度が2倍以上になる。ストラスミルには2組のスチルがある。 スピリットスチルは、より重質のフーゼル油などを回収して、蒸留に戻す、業界ではほとんどみかけない「ピュアリファイアー」を備えており、より軽い蒸気がメインコンデンサーに送られ続ける。 ウォッシュスチルは45分ほどで沸騰し、スピリットスチルは1時間ほどで沸騰する。ストラスミルは6時間周期でその奇跡を演出する。 ミドルカットは、71 % で行われ、湧き水で熟成にまわすアルコールの2つの基準をもつ。68.5%または63.5%に加水されて樽での熟成に回される。 壮観であった銅のスチルは、100周年を記念して、漆塗りでスマートにされたが、結果として不幸にも漆は熱に耐えられず、縞模様のピンク色の外観となってしまった。 ウィンチェスター氏は、スチルを毎週綺麗に磨きあげているが、そのスチルを植物油で磨き上げ、古い外観に戻そうとしているのかもしれない。 ストラスミル蒸留所は、低い屋根の土床の倉庫を持ち、そこでシェリーバットやウイスキーホッグスヘッドの樽にて10年から12年間熟成させている。 ブレンダーへの典型的な供給には、シェリーカスクで熟成されたものが約37%が組み込まれる。 私はこの宝石のような蒸留所で「ウイスキーの泉」の物語を聞いた。 もともとの建物があった頃には、スチルから上がったスピリッツをマグが用意された容器に移され、“ご自由にどうぞ”と訪れる人にも振舞われていたという。 しかし、それはもう見つけることができなかった。

1823
稼働中
Keith, AB55 5DQ
スペイサイド