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グレンゴイン

ソサエティ初ボトリング 2005年
グレンゴインは、グラスゴーから数十マイルほど離れたところにある、ロブロイの国キリアン村のちょうど南にある。伝統的な外観と情緒を備えた魅力的な蒸留所であり、都市に隣接しているにもかかわらず、ダムゴイン・ヒルの麓にある森林豊かな峡谷を持ち、蒸留所には最適な場所である。グレンゴインの小川は、ダンゴインの丘から湧き出ている。50フィートの高さの滝を下り、ローモンド湖に流れ出る途中にある蒸留所のそばを流れそれが冷却用に使用されている。 グレンゴインは1833年に最初にライセンス供与されたが、その場所はかつて密造者たちの温床であったと確信されている。地元の歴史学者のガスリー・スミスによる書籍(1866年)によると、19世紀初頭には「約13の不法なスチルの煙」が近くで確認できたと記述している。 蒸留所はその土地を借りたジョージ・コネルによって建設され、長年に渡ってマクリーン家のメンバーによって免許を保持されていた。 もともとはグレングインと命名され、1876年にラング・ブラザーズ社によって購入された際には“バーンフット”として知られた。 彼らはGlenguinまたはGlen Guinに名前を変更し、現在の綴りは1905年頃に採用されたものである。 1965年のロバートソン&バクスターグループによるラング・ブラザーズ 社の買収の際に拡大が行われ、1966年から67年の再建作業にて3番目のスチルが追加された。 ジョージ・コネルによって建てられた熟成庫の建物の1つは、今なお現存し、毎年約3万5,000人の来場者を受け入れるショップとビジター受付エリアとして機能している。 8つの稼働中の熟成庫は、200万リットル、または450万本分のスピリッツを保有している。ローランドとハイランドの蒸留所を隔てる地理的なハイランド境線は、グラスゴーからアバフォイルまでのA81道路を走り、グレンゴイン蒸留所の前を通る。従ってウイスキーはハイランドで作られているが、熟成庫はA81の南西にあるため、ローランドで熟成されることを意味している。 ロバートソン&バクスター社は、現在エドリントングループの一員として所有権の下、グレンゴインの多くがラングス・シュープリームや他のブレンドに使用されることとなった。その後、2003年4月、蒸留所と豊富な熟成中のストックはイアン・マクロード社によって買収された。 同社はレオナルド・ラッセルによって1936年に設立されたが、グレンゴインの前に蒸留所を所有していたことはなかった。 3代目オーナーであるレオナルド・ラッセルは現在、アイルオブスカイのブレンドスコッチウイスキーで知られる、ブロックスバーンに本拠をもつブレンドおよびボトリング事業のマネージングディレクターを務めている。グレンゴインの買収により、イアン・マクロード社は明確な成長のポテンシャルを持つ「フラッグシップ」シングルモルトを手に入れた。新しい添加物(モルトウイスキー)の相互取引のオプションは、ブレンダーにとって魅力的であり、またビジネスにとっても非常によい状況を生み出したといえる。蒸留所の生産能力は年間1200万リトルまで上がったという。レオナルド・ラッセル氏は、「蒸留量は2倍に増えたが、まだ100%の稼働率を達成していない」と語る。1週間のマッシュの数を増やし、ゴールデン・プロミス大麦を使用して、グレンゴインではウイスキーをまったく同じように製造し続けているという。「低収量だが高品質」であるゴールデン・プロミスは、 グレンゴインとマッカランを除いてはほとんど使用されていない。グレンゴインの麦芽の珍しいところはその品種だけではなく、麦芽に「ピートの香り」を一切つけない。温風を利用しゆっくりと時間をかけて乾燥されたものを使用する。 ノンピーテッド麦芽の使用を考えると、グレンゴインはおそらくハイランドのシングルモルトよりもローランドに近く、3回蒸留されたオーヘントッシャンに似た特徴を見つけることができる。 グレンゴインでは標準的な二回蒸留が古くから行われてきた。 しかし1880年代にアルフレッド・バーナードは“英国の偉大なウイスキー蒸留所”の執筆の際に蒸留所を訪れた際、「蒸留所の工程の様々なプロセスにおいてスピリッツは三回蒸留されているかもしれない。」と残している。イアン・マクロード社はプロモーションのスローガンに「モルトウイスキーの本格的な味は泥炭の煙に覆われていない」と掲げている。 麦芽本来の味がウイスキーのマーケティングにおいて最大のプラットフォームであるとレオナルド・ラッセルは説明する。泥炭を使用しないことにより、麦芽からウイスキーにクリアで明るく、繊細なキャラクターを与えている。確かにクリーミーで、フルーティーで、フローラルなモルトのキャラクターが、完成した製品に感じられる。そしてその疑いようのない滑らかさは、独特な「ボイルボール」を持つ3つのスチルが非常にゆっくりと働くことによって生み出されているという。 ソサエティのメンバーにはグレンゴインの絶妙な喜びを自身で感じてもらえるだろう。

1833
稼働中
Dumgoyne, G63 9LB
ハイランド