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この蒸留所は通常一般開放を行っていないが、倉庫の壁には大きく「ティーチャーズへようこそ」と表示されている。

1898年にグラスゴーのブレンダーであるウイリアム・ティーチャーの息子のアダム・ティーチャーによって蒸留所は設立され、現在もアイコニックとなるブレンデッドウイスキー・ティーチャーズのバックボーンとして供給している。

訪問した日はとても暖かく心地よい魅惑的な麦芽の香りがマッシュハウスから漂っているが、独特なハイランドピートの香りは感じられない。蒸留所マネージャーのジョージ・フォースがその理由を説明してくれた。

「通常ピートウイスキーを生産しているが、今日はピート香のない、地元のピクト族の巨石群から名前をとったアードレアスピリッツというものを蒸留しているからだ」。
ジョージの説明によると現在蒸留所ではここのブランド名とアードレアの2つを生産している。ピートが効いていないアードレアはほとんどブレンディング用。アードレアで蒸留されたフェインツとフォアショッツは、アードモア製造のために再利用され、これは伝統的に行われている製造方法である。

この蒸留所は設立当初からの記録帳があり、そこには最初のマッシュに関するものや大麦や給与の支払い記録があった。炭火で蒸留中に底が焦げ付かないようにスチルの底を引きずっていた銅の鎖が古いウォッシュスチルの底に見えた。

1976年までは自分たちでサラディンボックス内でモルティングしていた。今は、モルトスターから、12~14PPMのフェノール値のモルトとアードレアのノンピートのモルトが一緒に運ばれている。

この蒸留所には至る所に歴史的貴重な機器を見る事が出来る。独特のボイラーフェイス‐プレートとスチームエンジンは古いレザーファンベルトと共に未だに稼働している。蒸留スチルも独特で、ストレートラインが8基、スピリッツスチルが4基中央にあり、両側にそれぞれ2基ウォッシュスチルがある。ラインアームから急激に下方に下がっているが、スピリッツスチルはそれほど下っていない。そこからシェル&チューブ・コンデンサーへと続いている。
この蒸留所は歴史を大切にし、受け継がれたことを受け継ぎ守っていくことにも誇りを持っている。

ソサエティはこの蒸留所から3つのシングルカスクをこの度リリース。ハイランドモルトを自称するこの蒸留所の独特の製法とハイランド産のピートフレーバーを存分に楽しんで欲しい。

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