ラムについて

ラムはサトウキビプラントから、フレッシュジュースもしくは糖蜜を抽出し、その糖分を発酵させて蒸留するスピリッツの1つです。ラムはスコッチにおけるザ・スコッチウイスキー・アソシエーションのようなカテゴリ―全体を管轄する組織がないために、カリブ諸国のラムを生産する国々では生産方法について自身のルールと規則を持ちます。カリブ諸国とラテンアメリカで主に生産されていますが、現在ではオーストラリアからタイ、そしてスコットランドなど世界中で生産されています。

ラムの背景について

カリブ諸国でのサトウキビ栽培の最初の場所として、バルバドスは1642年まで生産の歴史を遡ることが出来、ラムの『生まれた場所』として権利を主張しています。1651年迄にラムはこの島で広く飲まれており、当時の文書にはこう述べられています。「この島で彼らはラムバリオンを製造しており、別名悪魔殺しと呼ばれている。これはサトウキビを蒸留したもので、激しく不快でひどい酒だ」
しかしながら、ラムの最初のころの製造については先だって1552年にブラジルのバイ―ア州ソウザの統治者からの報告書で「奴隷は新鮮な絞ったサトウキビジュースを蒸留したスピリッツ、カシャーサを彼らに与えると、より働く」とある。
ラムの最も注目したい点としては異なる船隊と関係していることでしょう。ラムネイションとして知られている〝トット”は1970年までイギリス海軍が船員にラムを与えていました。海賊も同様に、エジンバラのロバート・ルイス・スティーブンソンが書いた宝島で知られています。
グロッグ(グロッキーの語源)に関していえばイギリス海軍の提督によってラムを水で割るように指示が出た事が由来とされている。

それはどこから来たのか

ラムは主にサトウキビの生息する気候の国々で生産されていますが、その中でもカリブ諸国並びにカリブ海周辺のラテンアメリカ諸国が世界の80%以上の生産数量を誇っています。ラムを構成する単一の基準がないためにスタイルは大きく異なり、通常は製造される国の規制によって定義されます。大きな違いを見出すとすれば、最低アルコール含有量、熟成年数、ネーミングです。カリブ諸国ではスタイルは話されている言語によってグループ化することができるでしょう。英語圏では基本となる糖蜜の味わいが豊かなダークラムが知られており、アンティグア、バルバドス、ベリーズ、バミューダ、グレナダ、ガイアナのデメララ地区、ジャマイカ、セントクリストファー・ネイビス、サンタルシアそしてトリニダード・トバゴがこのスタイルに当てはまります。

フランス語圏はアグリコールラムとして最も知られています。サトウキビジュースのみで製造され、サトウキビの味わいが大きく反映されます。グアダブール、ハイチ、マルティニークがこのスタイルに当てはまります。

スペイン語圏は伝統的にスムースな味わいの「ロン・アネホ(熟成ラム)」が製造されています。コロンビア、キューバ、ドミニカ共和国、グアテマラ、ニカラグア、パナマ、プエルト・リコ、USヴァージン諸島、そしてベネズエラがこのスタイルに当てはまります。プエルト・リコ産のラムの圧倒的な影響で、多くのスペイン語圏スタイルのラムがアメリカで消費されています。

どのようにラムは製造されるのでしょうか

運営組織や製造に関しての規制がないため、製造に関してはロケーションと蒸留業者の間での伝統的なスタイルが基本となっています。しかし、基礎となるのはサトウキビから得られる砂糖です。サトウキビは収穫され、糖汁を得るために粉砕される前にプレスされます。糖汁は発酵することもできますが、多くは沸騰させ、結晶化した砂糖を生成します。この工程によって廃糖蜜が出来上がります。この廃糖蜜を加水し発酵させてラムが出来上がるのです。
主なラムは廃糖蜜から作られていますが、新鮮にプレスしたサトウキビジュースから作られるものもあります。酵母と水を発酵工程で基本的原料として加えます。発酵において野生酵母を使用する生産者もいますが、ほとんどの生産者は継続的な味わいを作り出していくために特定の酵母の株を使用し、発酵時間を予測可能にしています。
ジャマイカでは蒸留残液である「ダンダー」を次の発酵工程に加える蒸留業者も存在します。これはバーボン製造におけるサワーマッシュプロセスと似ています。ゆっくりとした酵母の活動と長めの発酵時間によって、ジャマイカのファンクやホゴとして知られている個性を作り出すエステル香の豊かな味わいが加わります。
ほどんどのラムはコラムスチルで製造され、ポットスチルでの製造は一般的にふっくらとした味わいのラムになります。

熟成について

ラムはスティルから直接ボトリングされるものも多くあり、熟成させるラムは一般的に多くの国、蒸留所において1年以上バーボン樽で熟成されます。
ほとんどのラム生産者はアルコール度数70~80%で成熟させ、40~50%に希釈してボトリングする事が多いです。
大変な熱帯気候の影響によりラムはスコッチウイスキーよりもより早く熟成します。天使の分け前は年間10%程(とはいえ、ラムの生産者は天使とは言わずに、ラムでパーティーを始めようとする幽霊とか悪魔の仕業と言っています)。熟成の後、ラムは一貫性を保つためブレンドされます。ウイスキーのように熟成具合はラムの色合で決定されますが、ライトなラムは熟成にて得られた色合いを取り除くためにフィルターを使用します。一方ダークラムには最後の製造工程で色合いを適正にするためカラメルを加える事があります。

度数について

お客様の好みに大きく依存はしますが、ほとんどのラムは約40%で瓶詰めされます。しかいネイビーストレングスは通常57%となります。ラムがこぼれた際には火薬が爆発しそうです。

全てブレンドされるのか

ほとんどのラムは同じ蒸留所で他のバッチと一緒にブレンドされます。この方法はウイスキー蒸留所のマスターブレンダーが品質の一貫性のために異なるバッチを混ぜ合わせることと同じ方法です。ブレンダーはブレンドしたラムを「セカンド・マチューレーション」あるいは「ダブル・エイジング」として知られているように別の樽へと移し替えることもあります。ラム業界でも「フィニッシュ」を実施し、例えばシェリー樽に移し替えたりします。
蒸留所の中にはスペインワイン業界からソレラシステムを取り入れ、樽の中に1年若いラムを毎年いくつものカスクの中に補充していく所もあります。

シングルカスクは存在するのか

存在します。ラムにおいてもシングルカスクは人気が高まっており一部の企業では製品の一部をシングルカスクにて製造しています。

ラムのグレードについて

ライト / ホワイト:
通常熟成されておらず、甘さからは離れたフレーバーで飲み物に混ぜて使うことで人気の高いグレードです。いくつかのライトラムは色合いを除去するためにカーボンフィルターを使用しています。最もライトラムとして知られているのはプエルト・リコ産のラムです。

ダーク:
一般的にヘビーにチャーされた樽で長期熟成され、スパイシーさや強い糖蜜、カラメルの香りがつきます。ダークな色合いは時にカラメルの着色によるものもあります。最もダークラムとして知られているのはジャマイカ、ハイチ、そしてマルティニークです。

フレーバードラム:
通常熟成されないラムにフルーツフレーバーを加えカクテルに使用されます。

ゴールド:
ミディアムボディのラムで熟成によるダークな色合いを帯びており、中には加色するものもあります。

オーバープルーフ:
スタンダード40%よりも高い度数で50%以上とされています。

プレミアム:
ラムをプロモートしていくためのマーケティングカテゴリーで、より個性や味わいがあり、ストレートで飲まれるものを指します。

スパイスド:
通常熟成されておらず、バニラ、シナモン、ナツメグ、ローズマリー、アブサン、アニスシード、ペッパー、そして時々カラメルも含めスパイスが加わった味わいが特徴です。

ラム・アグリコール:
シンプルにフランス圏のラムで廃糖蜜ではなくサトウキビジュースから発酵、熟成されたラム。ラム・アグリコールはヘビーなアルコールのアロマから草っぽさや辛味が特徴的でフランチ・カリビアンから来ています。

飲み方について

笑顔で。ラムのアンバサダーであるイアン・バレルはこう述べています。「ラムにとって一番相性が良いものは愉快な仲間ですね。もしあなたが休日のラムを飲みたいと思っているのなら、気の合う友人と一緒に飲んでみては如何でしょうか。ラムは混ぜるためのスピリッツと思われているかもしれませんが、ウイスキーのようにより熟成させた複雑なラムはそのまま味わっていただき、ソサエティのグラスで飲むと完璧でしょう。
ただ、もちろんラムはすばらしい多くのカクテルに使用されており、ラム、砂糖、ライムのコンビネーションはいつでも素晴らしい味わいを作り上げる。もしコーラで割る場合には余計な水は加えずに。ジンジャービールやジンジャーエールも試してみてください」。

アロマの個性

ウイスキーのように、ラムは地域から地域、国から国へと様々な味わいがあります。しかし一般的には廃糖蜜をベースとしたラムはキャラメルやバニラの個性、確かな甘みを持ちます。ラム・アグリコールもしくはサトウキビジュースをベースとしたラムは草っぽさ、辛味、アルコールのアロマの香りが傾向としてあります。
前述しましたが、ジャマイカンラムはフルーティーなエステル香が特徴で、それは長い発酵時間がファンクやホゴのアロマに貢献するからです。これはコニャックのランシオ香やヘビーピーテッドのアイラウイスキーの薬品香にもつながっているのではないでしょうか。

企業とブランド

最大規模のラム製造業者はバカルディ(バカルディ、バミューダ)、ダンデュアイ(タンデユアイ・ディステラー、フィリピン)、マクダウェルズ No,1 セレブレーションラム(ユナイデッド・スピリッツ、インド)、キャプテン・モルガン(ディアジオ、UK)そしてハバナ・クラブ(ペルノ・リカール、フランス)等があります。

プレミアム市場

Just-drinksやIWSRでのレポートによれば、ラムはウイスキーやコニャックと比べて下回っており、販売数量が0.5%減少してはいるものの、スーパー、ウルトラスーパーラムのカテゴリーは堅調に伸びている。
シングスカスク、特別なウッドフィニッシュ、そして熟成年数の高いラムはプレミアムのマーケットの伸びに貢献している。

ウイスキーとの親和性

あなたが好きなウイスキーを見つけることと同様に、ラムにおいても熟成されたラムの複雑さと深さは様々な印象を持っていただけるはずです。

ラムの中に何を見出すか

このような規制のないマーケットの中では、ラベルの信憑性と詳細を探し当て、ブランドについて知見を得る事が重要でしょう。ソサエティ・テイスティングパネルはメンバーがシングルカスク、シングルモルトウイスキーを期待するように、シングルカスクスピリッツラムの選択にも同様の精査と分析を実施しています。

ラムとカシャーサの違いとは

ブラジルの法律下において、ラム・アグリコールのようにサトウキビジュースを発酵した原料ではありますが、カシャーサはブラジル内でしか生産できません。カシャーサのアルコール度数は38%から48%の間でラム・アグリコールよりも低くめになっています。

ソサエティ ラムについて

[New 2 Code] Code:R2
かつてエンモア蒸留所で使用されていた単一の木製のポットスチルで製造されたとても興味深い蒸留所。 R2.7はフレンチオークでフィニッシュさせることで甘みとスパイクさを発見することが出来ると思います。

Code: R11
元々は1741年まで遡ることができますが、2005年までに生産量が増えたことにより新しい蒸留所が建設されました。(その蒸留器はフォーサイス社によってスコットランドで作られました)ソサエティのリリースにおいて、ボトリングためにスコットランドで熟成される前の、2010年から2016年の間にジャマイカで熟成されている。その樽はすでに述べさせて頂いた、〝ファンキー“な表情を、高いエステル香から生成しています。